組名表記②

浜松凧揚祭研究会

2012年06月22日 00:01

 前回、浜松の凧まつりの「組名」について、「◆組」と「◆◆連」とが混在していて、なおかつ法被の衿に限ってみた場合、3文字以上の表記の時は柔らかな行書体になっているという傾向について、また「◆組」など2文字の場合は楷書に近い力強い行書になる傾向があると指摘しました。




 さらにマニアックに踏み込みます。


 ひとつの町内で組名表記が複数あると言いましたが、法被の背中と衿でも異なっているケースがことのほか多い。

 今回はこの辺の傾向について検証。


 たとえば・・・

(パンフレット『82浜松まつり』より)

・・・きつねといえば、砂山町。



 法被背中は 「砂組」



 衿も「砂組」か と思いきや・・・、


 「砂ぐみ」「きつね」(「砂」と「つ」以外変体仮名)



 これ。



 とか。


 池町は・・・

 背中は「池組」。



 なのに、衿が 「五色連」


とか。




 浜松の法被と二俣の法被とを比べると、それぞれの作風というか、それぞれの図案文化というか、違いが何となくありそう、と指摘しました。
↓(2012年3月7日記事 「法被の作風というか」)
http://takoken.hamazo.tv/e3501874.html

 浜松の法被の背中側はキュッとしまった感じ。

 それに対して、衿は風流というか。流れるような行書体で線の柔らかさを出しているというか。「◆組」を「◆ぐみ」と置き換えたり「◆組」を「◆◆連」と言い換えたりして、図案にバリエーションを持たせているというか。


 おそらく、組名の統一よりも、バリエーションに富んだ図案を楽しんでいたのでは・・・。


 背中はこうだけど、衿はこんな感じ、提灯はあんな感じ・・・という感じ。





 そんな傾向があるのではないかと、妄想してみたりするのです。


         (善)





・・・かなりマニアックな話になってしまいました・・・。

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