屋台 屋根形状②

浜松凧揚祭研究会

2012年11月10日 00:38



 中島諏訪町の屋台と砂山町の屋台。





 どちらも二層です。




 が、形は違って見えますね。


 もちろん、軒反りが大きいとか小さいとか、軒の出が大きいとか小さいとか、そういう細部の違いはたくさんありますが。


【参考】
①が軒反り(のきぞり)
②が軒の出(のきので) 柱芯から軒先(垂木の鼻先)までの寸法。





 最も大きな違いは、切妻か、入母屋かの違い。



 ひとつ前の記事は、住宅によく見られる屋根形状を図示したものですが、これを屋台に応用してみます。



 屋台の場合、多くの住宅などとは違って、破風板(はふいた)が直線ではなく、「てり」「むくり」のあるいわゆるS字形になりますね。


 破風板が直線。左が切妻、右が入母屋。


 破風板が曲線。左が切妻。右の入母屋破風も曲線。


 この「てりむくり」のある破風板(S字形の破風板)を特に唐破風(からはふ)といいます。



ナナメから。







 この入母屋の形状に、軒唐破風をつけると完成。






 つまり。


 中島諏訪町の二層(上屋)は切妻。砂山町の二層は入母屋。



 このように理解出来るのであります。





         (善)



 遠州では、切妻の唐破風屋根を、「大唐破風」(おおからはふ)と呼ぶのが一般的ですね。

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