図案の法則 1凧印 (1)色 ③色の重ね方

浜松凧揚祭研究会

2014年09月15日 03:25

凧印(たこじるし)は、赤と紺が基本だよ、という話を過去2回。


 先に見た、赤または紺、あるいはその両方という話と、そのあとのもっと色数が多いのもあるよという話。
http://takoken.hamazo.tv/e5608166.html(2014年9月11日「凧印(1)色①」)
http://takoken.hamazo.tv/e5613399.html(2014年9月13日「凧印(2)色②」)


 この2つには、「色数の違い」以上の線引きがあったりします。


 色の重ね方が違います。


 前者は、赤と紺が重なる場合、その間には等間隔で白が入ります。つまりロウを2本入れております。


 赤を止めるロウ、紺を止めるロウがそれぞれ入り、白の隙間を作っている。



 後者は、赤や紺に限らず、色と色が重なるのを厭わない。

 五色の境はロウ1本。


 こちらはロウそのものが見えない。天狗なども同じ画法。

 写真は文書サービス編『浜松凧あげまつり』(1984年、静岡出版)より
(それぞれどこの凧のアップか判りますね?)


 基本的に、たとえロウが1本入ったとしても、赤と紺が隣り合わせになるというのは、視覚的にキツい。白を等幅で入れることで、それぞれの色が際立つと同時に視覚的なキツさを緩和する効果があります。

 ムツカシイことを言わんでも、要するに白が間に入った方が「見やすい」のであります。


 その基本を押しのけて、色を重ねるのは、大変勇気がいることなのですが、そうさせるだけの根拠がある絵なら、違和感はないのであります。
 その点で、昔の人(凧印を生み出した人たち)はすごい。


         (善)


 凧印を生み出した人たちとは、100年以上前の凧屋さんということになりますが、今も続く「すみたや」さんと「一瀬堂」さんのご先祖(というか何代か前の人々)。

 凧まつりが盛んな浜松は、2軒の凧屋さんが100年以上続いてきた街でもあります。


関連記事