図案の法則 1凧印 (1)色 ④色の重ね方 家紋
図案の法則
などとエラそうに書いております。
浜松の凧揚祭には町ごとに決まられた凧印(たこじるし)があるよ。
赤または紺が基本の色だよ。
それ以外の色を多用した絵凧もあるよ。
色の重ね方にもルールがあるよ。
という話であります。
町ごとの凧合戦ですから、それはそれで良いのですが、ここにもう一つの特徴、「初凧」が関係してきます。
初凧(はつだこ)とは、長男が誕生した家=初節句の家のお祝いに、鯉幟や五月人形と並んで送られるお祝いのもの。
鯉幟は今でも全国的に節句の風物詩として残っていますが、初凧は1880年代以降に廃れていきます。
凧合戦と結びついた浜松では、その一環として凧揚祭の中で存続していきました。
ここが浜松の初凧の特徴です。
よく言われる、「生まれた子の祝い」が特徴なのではなく、凧合戦と結びついた過程で残存したというのが大きな特徴なのであります。
初凧は、初節句を迎える家の見栄でもありますから、その御祝儀の額と関係してます。
町内としても、祭の資金になるご祝儀をいただくわけだから、その証を凧に描きます。
それが初凧の家紋と名前。
(画像データは、文書サービス編『浜松凧あげまつり』静岡出版1984年より)
赤の凧には紺(または群青、黒)の家紋、紺の凧には赤の家紋。
赤色の天狗に対して紺色の家紋(丸に井桁)。
赤色の奴の袖に対して紺色の家紋(丸に井桁)。
紺色の凧に対して赤色の家紋(丸に井桁)。
紺色の凧に対して赤色の家紋(丸に下り藤)。
紺色の凧に対して赤色の家紋(丸に蔦)。
赤と紺の2色が基本色。
その対の色を用いることで、よく映えるのです。
ここでも、色と色が重ならないように、白の隙間が設けられます。
赤と紺のコントラストがよく映える、浜松の凧の色の原則なのであります。
(善)
揃いも揃って「丸に井桁」でしたが、まったくの偶然ですよ。
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