図案の法則 1凧印 (2)書体③
もう1回、同じ話をしてみます。しつこいのであります。
浜松の凧印に用いている書体は、浜松独特のものです。
毛筆体(筆で書く書体)ならなんでもいいわけではありません。
太すぎず、細すぎず、そして「かすり」が入るあたりが他にあまり例をみない。
こういう書体。
浅田町の「あ」。
文書サービス編『浜松凧あげまつり』(静岡出版、1984年)より
左から、
AR勘亭流H体
大河原仁『実用ディスプレイ書体 千社文字』(マール社、1990年より)
モリサワひげ文字 (「㈱モリサワHPより)
https://www.morisawa.co.jp/font/fontlist/details/fontfamily145.html
かすりが入っていても、ひげ文字と凧の書体と、ずいぶん印象が違って見えると思います。
歌舞伎の文字から作った勘亭流**体とか、籠字とか、ひげ文字とかなどのフォント。それはそれで、確立された書体ですが、浜松の凧には本来は馴染まないはずです。
浜松の凧には、浜松の凧屋さんが生み出す、浜松の凧の書体を用いるのが、本来の姿であります。
(善)
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