図案の法則 1凧印 (2)書体④
ここのところこの話ばかりです。
浜松の凧揚祭の凧印に用いられている書体。
これは浜松独特のもの。
パソコンの普及と並行していろいろなフォントも普及しており、町内の回覧物や看板などでもさまざまな書体を見かけます。
そんな中で改めて凧印の書体を見てみると。
色々な毛筆体を見比べて、それでもピタリと当てはまる書体がないことに気づかれる筈です。
こういう書体はなかなか無いよ。
早馬町の「は」
文書サービス編『浜松凧あげまつり』(静岡出版、1984年)より
左より、
江戸勘亭流(パソコンに入っていたフォント)
大河原仁『実用ディスプレイ書体 千社文字』(マール社、1990年より)
基本的に旧町内の凧印の書体は、それぞれの凧屋さんで培われてきた書体ですね。
新町内登場後も、しばらくは踏襲されていました。
ある時点から、次第に馴染みのない書体が入り込んできています。
それこそ、ひげ文字、籠字、寄席文字、勘亭流のような書体の凧印がいくつもあります。
これらが視覚的な「違和感」の一翼を担ってしまっています。
(善)
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