図案の法則 1凧印 (2)書体④

浜松凧揚祭研究会

2014年10月25日 01:14

ここのところこの話ばかりです。


 浜松の凧揚祭の凧印に用いられている書体。

 これは浜松独特のもの。

 パソコンの普及と並行していろいろなフォントも普及しており、町内の回覧物や看板などでもさまざまな書体を見かけます。


 そんな中で改めて凧印の書体を見てみると。

 色々な毛筆体を見比べて、それでもピタリと当てはまる書体がないことに気づかれる筈です。


 こういう書体はなかなか無いよ。

 早馬町の「は」



文書サービス編『浜松凧あげまつり』(静岡出版、1984年)より




 左より、
江戸勘亭流(パソコンに入っていたフォント)
大河原仁『実用ディスプレイ書体 千社文字』(マール社、1990年より)


 基本的に旧町内の凧印の書体は、それぞれの凧屋さんで培われてきた書体ですね。
 新町内登場後も、しばらくは踏襲されていました。


 ある時点から、次第に馴染みのない書体が入り込んできています。

 それこそ、ひげ文字、籠字、寄席文字、勘亭流のような書体の凧印がいくつもあります。


 これらが視覚的な「違和感」の一翼を担ってしまっています。


                 (善)

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