変体仮名:り

カテゴリー │変体仮名

更新がままならず、ご無沙汰ばかりであります。




 変体仮名を覚えて変態になろう! のシリーズ。



 久々なので【解説】を。



 ここでいう「変態」とは。

 凧まつり好きの人々を、昔から浜松では「凧キチ」と呼びます(少くとも昔はいいました)。凧まつりのクレイジーという意味ですね。「まつり好き」というよりも、よほどピンときます。

 その「クレイジー」を通り越して、(幸か不幸か)マニアックな領域に入ってしまった人・・・を、このブログ周辺で、敢えてこう呼んでおります。

 凧まつりを構成する様々な分野について、マニアックな理解をしていかないと整理できない問題も数多くあるので、それはそれで必要なコトでもあります。


  【使用上の注意】
 「凧キチ」は浜松では用いました。一般的な方言といってよいでしょう。
 「変態」はこのブログ周辺でしか用いません。この文脈で用いない限り、ホントの「ヘンタイ」さんと混同してよろしくありません。





 そして、「変体仮名」とは。

 こちらは、一般の辞典でお調べいただいても、Wikipediaで検索していただいても、ご理解いただけます。簡単にいうと「ひらがなの二軍」ですね。

 もともと日本語には文字がなく、中国大陸の文字=漢字を当てて使っていた。でも不便だから、漢字から漢字の持つ「意味」を無視して「音」だけ利用した。それが「仮名」(かな)。

 仮名には2種類。片仮名と平仮名。

 片仮名は文字通り、漢字の一片を切り取って文字にしたもの。「阿」→「ア」、「伊」→「イ」、「宇」→「ウ」・・・。

 平仮名は、漢字の草書をさらに崩したもの。「安」→「あ」、「以」→「い」、「宇」→「う」・・・。

 こんな成り立ちでありますから、当然、他のパターンだってあったわけ。

 だけど、近代以降、「国語」が整備される過程で、「平仮名」に採用されたラッキーなものと採用されなかったアンラッキーなものがありまして。
 採用されなかった平仮名を、別の形の仮名という意味で「変体仮名」と呼ぶようになりました。

 だから元の漢字の意味などは考えてはいけません。平仮名の「あ」を見て「安い」とか「安心」とかいう意味なんて考えずに「ア」と読めるでしょ。

 なので変体仮名もそのようにオトだけご理解ください。参考までに元の字(字源・字母)も覚えておくと理解が早い、というくらいのものです。




 そして久々の本日は。

変体仮名:り



 どこの法被のどの部分か、判りますか。



変体仮名:り
 この法被。


 森田町の背中の印(大紋)であります。

 「もりれん」と書いてあります。

 「も」と「り」と「れ」が変体仮名ですね。

変体仮名:り

 「も」と「り」と「れ」を、「ん」が囲んでおります。


 こうして見るとなかなか勢いのある印ですね。


 さらに衿にも用いられておりますが、長くなりましたのでまた今度。



                (善)



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