2019年大晦日に寄せて

カテゴリー │「浜松まつり」諸問題

しばらくぶりの投稿です。

 長~い空白の期間、大変失礼いたしました。

 2019年、元号変わって令和元年。

 浜松において「凧好き」(=凧揚祭が好き)で、各町内で青年として凧揚祭を担っている我々にとって、今年は大きな事柄が2つありました。

 一つは「すみたや鴨江店」さんの閉店。
 もう一つは「一瀬堂」さんの職人さんの急逝。

 いずれも、市内で古い歴史を持つ、凧屋さんの話です。


 凧(揚祭)を担っている青年にとって、「4月に、凧屋さんへ凧を引取りに行く」というイベント。

 もちろん「準備の一環」ではありますが、その一方で、それぞれにワクワクする楽しみであるはず。


 少なくとも、若い頃から熱狂的であるワタクシにとっては、45歳になった今でも楽しみなイベントであります。


 それはまるで、ミッキーマウスのファンが、東京ディズニーランドに行くのと同じぐらい、いや、それ以上のエンターテイメントである次第です。


 その凧屋さんの一角、すみたや鴨江店さんが閉店された。
 
 厳しい時代であります。
 固有の事情があるのでしょう。

 であったとしても、この喪失感。「寂しい」というだけでは言い尽くせない何かがある。


 一瀬堂の職人さん。
 店の「看板」であった元気なおばさんが、72歳の若さで急逝されました。

 凧作りのシーズンには、主に「ロウ入れ」の作業、そして絵凧の墨入れを担っていらっしゃいました。

 砂山町のキツネ、布橋北町(旧名残町)の日がらすなど、実に味のある、優美な線を描かれていました。

 私も個人的にもお世話になった方でした。ご冥福をお祈りします。



 浜松に少なくとも100年以上前からあった、「すみたや」さんと「一瀬堂」さん。

 「伝統工芸」といってまったく遜色のない仕事、その風景を守り継がれたその姿が、大きく変わる歴史的瞬間に、望むと望まざるとにかかわらず、立ち会うことになってしまいました。

 3軒あった「浜松凧製作所」は、今後、「上西すみたや」さんと「一瀬堂」さんの2軒となって、これからも受け継がれたものを守って行かれます。


 浜松の町内の青年の一人として、微力ながら見守っていきたいと思います。


2019年 令和元年 12月31日

             (善)