屋台:野口町

カテゴリー │屋根形状

野口町の屋台です。



(2007年5月4日撮影)



 屋根の形状は・・・、

この絵で言うと、左。


 二層の大唐破風(おおからはふ)=切妻です。


 例によって例のごとく、屋根の形状だけの分類です。桁下の組物(斗組(ますぐみ))などは形が違っています。



 つまり、屋根の形状だけでいえば、池町と同じカテゴリーになります。




 同じ屋根形状でも、全体の印象はケッコウ変わってきますね。



       (善)



 ちなみに。

 野口町の屋台は来年が50周年。新築した1963(昭和38)年から丸50年。


 高欄の彫刻が見事な屋台です。



 

屋台:池町

カテゴリー │屋根形状

池町の屋台です。


(2007年4月30日撮影)



 当日目前の時期、通りすがりに思わず遭遇。 ・・・実はわざとらしく遭遇。


 こちらも豪勢な屋台です。




この絵でいうと、屋根形状は左のタイプ。


 二層大唐破風(おおからはふ)。(大唐破風=切妻)。


 例によって「二層」「大唐破風」という以外、詳細は異なりますので。組物とか、唐破風のラインとか。





 二つ前の記事、新町屋台と比べると、各所の違い、それらの集積としての全体のイメージの違いが面白いです。






            (善)



 

屋台:新町

カテゴリー │屋根形状

屋根形状の話を踏まえて、過去に掲載した写真を見直してみるとしますか。




新町屋台。

(2007年5月4日撮影)


 二層。入母屋(いりもや)。軒唐破風(のきからはふ)。



 この絵で言うと、右側のタイプ。



 この絵でも、右のタイプ。


 屋根形状だけの大雑把な話なので、それ以外の部分はだいぶ違います。組物とか。



 組物は組子(くみこ)とか斗組(ますぐみ)とか斗キョウ(←「木」ヘンに「共」)とかいいますが、新町の二層の場合、「二手先組(ふたてさきぐみ)を詰組にしたスタイル」といえばいいのじゃろうか。
 ワシの絵は三つ斗組(みつとぐみ)。




 この辺の話まで見えてくると、屋台の姿形について、イメージだけではく分析的な理解ができるようになる・・・と思います・・・。





        (善)




 Yahoo!で「ときょう」で検索したら出てきました。参考までに。

「奈良の名刹寺院の紹介、仏教文化財の解説など」 >「トキョウと蟇股のお話」
http://www.eonet.ne.jp/~kotonara/index.html








 

屋台 屋根形状⑤

カテゴリー │屋根形状






 調子に乗って描いてしまいました。




 浜松の大部分の屋台の屋根の形は、このどちらかに当てはまるはずです。



 二層の大唐破風(おおからはふ)、または二層入母屋(いりもや)。





 とはいえ、屋根形状に限った話です。

 これに、軒下の組物(組子・斗組)の作りや形が加わってくると、さらに屋台が面白くなっていくのであります。








            (善)



 

屋台 屋根形状④

カテゴリー │屋根形状


(2006年、Naka2氏撮影)

 二層入母屋の広沢町屋台です。


 ここのところ屋台の屋根の話をしておりますが、本日も。








 スッキリとした印象を作るなら切妻(=大唐破風)。造りの複雑さを見せるなら入母屋。




 切妻が、棟木から両側(2方向)へ向かって流れているのに対して、入母屋は4方に向かって屋根が流れております。


 



 屋台で言うと、前にも後ろにも軒が下がってくるので、そこにまた唐破風をつけたりして、造りが複雑になっていくわけ。




 浜松の戦後期の屋台には、入母屋屋根でも少くとも3類型。




 入母屋破風が丸くなっているのと尖がっているのと、前と後ろに軒唐破風が付いているのといないのと。





 広沢町の屋台のように、入母屋屋根がとんがっているのは、堂宮建築では普通。

 戦前の屋台の多くもこちらの形状だったようです。残っている写真などを見るかぎり。



 でも、戦後〜今まで、こちらの形状の屋根をもつ屋台は3台だったりするのであります。





               (善)




 と、こんな風に見ていけるのも、造りの複雑な浜松の屋台ならでは。見るべきものがいっぱいあります。






 

屋台 屋根形状③

カテゴリー │屋根形状



 再登場。砂山町の屋台と中島諏訪町の屋台。(Naka2氏撮影、2006年)。

 二層入母屋(いりもや)の屋根と、二層切妻(きりづま)=大唐破風(おおからはふ)の屋根。


(はまぞう「最新記事」に掲載される画像を入れ替えるために、左を砂山町、右を中島諏訪町にしています・・・) 


 二層(上屋)だけですが、図にすると、こういう感じ。

 左が切妻(=大唐破風)、右が入母屋(入母屋に軒唐破風をつけたもの)。



 本体だけでは寂しかろうて、彫刻つけましたよ。上が鬼板(おにいた)、下が懸魚(げぎょ)。





 だんだん屋台らしくなってまいりました。



 ここでわかると思いますが、鬼板の数。

 入母屋・軒唐破風だと、それぞれに鬼板つくので・・・、




 二層だけで鬼板が2枚になるのですね。



 彫刻師も大変だ。



               (善)




 浜松の屋台には、そういう構造の複雑さがあるのでした。


 でんすけ殿、コメントありがとね。またボチボチ書いていきますよ。



 

屋台 屋根形状②

カテゴリー │屋根形状



 中島諏訪町の屋台と砂山町の屋台。





 どちらも二層です。




 が、形は違って見えますね。


 もちろん、軒反りが大きいとか小さいとか、軒の出が大きいとか小さいとか、そういう細部の違いはたくさんありますが。


【参考】
①が軒反り(のきぞり)
②が軒の出(のきので) 柱芯から軒先(垂木の鼻先)までの寸法。





 最も大きな違いは、切妻か、入母屋かの違い。



 ひとつ前の記事は、住宅によく見られる屋根形状を図示したものですが、これを屋台に応用してみます。



 屋台の場合、多くの住宅などとは違って、破風板(はふいた)が直線ではなく、「てり」「むくり」のあるいわゆるS字形になりますね。


 破風板が直線。左が切妻、右が入母屋。


 破風板が曲線。左が切妻。右の入母屋破風も曲線。


 この「てりむくり」のある破風板(S字形の破風板)を特に唐破風(からはふ)といいます。



ナナメから。







 この入母屋の形状に、軒唐破風をつけると完成。






 つまり。


 中島諏訪町の二層(上屋)は切妻。砂山町の二層は入母屋。



 このように理解出来るのであります。





         (善)



 遠州では、切妻の唐破風屋根を、「大唐破風」(おおからはふ)と呼ぶのが一般的ですね。



 

屋台の造り 屋根形状

カテゴリー │屋根形状

今年が2012年。1962年から丸50年ということで、伊場町では屋台新築から50年の周年事業があったそうです。



 そして来年は、八幡町・野口町の屋台が丸50年。八幡町では周年事業としていろいろの企画を画策している様子。





 さて、屋台の形を最も印象づけている要素の一つに屋根の形があります。


 浜松の屋台では、大きく分けて「切妻(きりづま)」と「入母屋(いりもや)」の二つに大別されますね。


 この屋根形状の呼称は、一般住宅でも堂宮建築でも用いますので少し解説。


この絵で、これが何だか理解しろとも言えませんが。

 これ、屋根を真上から見た図。

 左が切妻屋根、右が入母屋屋根。それぞれの真ん中のタテ線が、棟木(むなぎ)の位置。





 こちらは、真横から見た形。左が切妻、右が入母屋。

 「真横から見た」というのはやや曖昧な表現でして。丁寧に言うと、棟木と直交する側(妻側)から見た図です。

 棟木は屋根の中で最も高いところの部位。この絵で言うと、それぞれ三角のてっぺん。





 そしてこちらも真横から見た図。棟木と平行する側(平側・軒側)から見た図。




 ナナメから見た図なら、ようやく雰囲気が伝わりますでしょうか。


 左が切妻、右が入母屋。


 入母屋は住宅で言うと、大半が和風。




 この辺をサラッとご理解頂いて、次へ進んでまいります。



                          (善)